東北旅行 2019.1.4-8 その5・終(村上~新潟~関屋分水~弥彦~東京)

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1/8(火)

いよいよ旅行最終日で、東京に帰る日である。毎回旅行の最終日はえも言われぬもの悲しさがある。

ゆうべスーパーで調達した食事をホテルの部屋で済ませ、7時過ぎにホテルをチェックアウトし、村上駅へ。寝ている間に雪が積もっていたらしく、融雪用の水と相まって歩道まで雪と水が混じっている有様…。雪国で長靴が必要とされるわけを思い知る…。

何とか駅にたどり着き列車に乗り込む。高校生や通勤客が多く乗り込んでいて、世間が平日であることを実感する。07:26に村上駅を発車した列車は、途中駅で乗客を乗せながら新潟へ向かう。列車内が通勤通学客で混雑してくると、大きなザックを持ち込んでボックス席に座っている自分が申し訳なくなってくる。08:38新潟駅に着き、やっと申し訳なさから解放される。新潟駅は高架化工事が進められていて、万代口まで出るのに時間を要してしまった。

 

あまり新潟市街に滞在できる時間が無かったので、萬代橋へ向かう。途中、まだ川ではないところに、萬代橋に関する説明書きがあり、不思議に思って読むと、かつて信濃川の川幅は現在よりも広く、大河津分水ができたことで川幅が狭められ、萬代橋も新たにかけ直されたことを知る(現在は3代目)。ちなみに初代の萬代橋の設計は古市公威だそう。

3代目の萬代橋の橋詰につくと、そこにも説明書きがあり、3代目の現橋は、信濃川の川幅縮小に伴い1929年に竣工したもので、関東大震災の復興橋梁の際に得られた知見が生かされているとのことで、いろいろなことが一気につながって思いがけずいい勉強になった。

↑こういうの(道路元標)があるとついついみてしまう

 

市内中心部の西堀の辺りまで行ったところで引き返し、新潟駅10:01発の越後線に乗り込む。白山まで歩いてそこから乗っても良かったのだが、中途半端に未乗区間を残してしまうのもどうかと思われたので。

 

青山駅に10:11に着き、下車印をもらうべく切符を提示すると、(経路の煩雑さに)「こりゃひどいな」といわれる。たしかに、複雑な経路の切符を持ったひとがそう降りる駅でもなさそうで、そう思われるのもさもありなんという感じ。駅から関屋分水沿いに20分くらい歩くと、関屋分水記念館に着いた。堰カードをもらう。

 

再び青山駅に向かい、11:31発の列車で吉田駅へ向かう。吉田駅には12:24着。そのまま12:36発の弥彦線弥彦行に乗り換える。たかだか10分程度の待ち時間だが、ホームで寒風に吹かれながら待つのはなかなかしんどかった…。弥彦駅には12:44に着いた。

持っていた切符は、~新潟-(越後線)-吉田-(弥彦線)-東三条~という経路なので、吉田からは別途乗車という扱いで、吉田-弥彦間190円を精算する(旅客営業規則第247条)。

弥彦駅

 

あいにくの雨ではあるが、まず、弥彦神社を目指す。雨ゆえに写真を撮るのが億劫になってしまい、撮らなかったことが悔やまれる。参拝し御朱印をいただいたのち、門前に戻り昼食をとる。わっぱ飯が有名ということで、吉田屋でわっぱ飯セットをいただく。いくらに弾力があって美味しかった。

 

自分への土産用にこしのはくせつの純米吟醸(四合瓶)を購入し、イカメンチ(これも名物らしい)も買う。(4ヶ月も前なので味はよく覚えていない…)

列車の時間まで30分強あったので、帰りの列車内で食べる用におにぎりを農産物直売所で買い、近くにあった足湯で時間をつぶす。

15時になり、(前の日に荷物を送ったはずなのに)すっかり重くなったザックを背負って弥彦駅へ向かい、吉田までの切符を買って列車に乗り込む。

 

15:15。列車は弥彦駅を後にし、後はひたすら7~8時間かけて帰るだけである。弥彦線東三条へ向かい、そこから信越本線で長岡へ。信越本線に乗るのは30分ほどだったので座らなくていいやと長岡まで立ったまま乗車する。しかし、長岡を16:32に発車する水上行きの乗り継ぎ列車は2両編成で高校生の帰宅ラッシュに当たってしまい、東京を思わせるような混雑ぶりで、長岡まで座らなかったことを後悔する。この列車が鈍行の最終列車ゆえ見送るわけにも行かず、泣く泣く乗車する。結局小出辺りから座れたので結果オーライではあった。

 

六日町を過ぎると流石に乗客もまばらになり、遠くにスキー場の明かりが見えるような景色に変化する。山が近づいてくる気配を感じながら、弥彦で買ったおにぎりを食べる。越後湯沢を過ぎるといよいよ上越線最大のお楽しみ区間に突入である。

 

すっかり日も落ちて、景色があまり見えないのは残念だが、ここから水上まではループ線や国境の長いトンネル(清水トンネル)を通り抜ける。川端康成の『雪国』の冒頭に思いを馳せていると、新潟県最後の駅土樽を過ぎてから検札が回ってきて、いよいよ国越えという感じがする(『雪国』とは逆方向に進んでいるが)。清水トンネルを抜け、土合、湯桧曽を過ぎ、水上に着くと急に帰ってきた感じがする。もう越えるべき峠はないし、やはり地形の力は偉大である。

 

水上で高崎行の列車に乗り換え、高崎で八高線ディーゼルカーに乗り換える。八高線は非電化なので、ディーゼルエンジンの音を聞いていると、旅情が感じられて、先ほどの帰ってきた感じも少し遠のく。車窓を流れていく灯りを眺めているうちに列車は終点の高麗川に着く。駅では中央線の車両が待っており、一気に夢から覚め、日常に引き戻されるような感じがした。夢から覚めたような気分で電車に揺られながら帰宅した。