積ん読

ひとに本を薦めるというのは難しいものだと思う。そもそも薦められるだけの読書量がないし、同じ本を読んでもその人に蓄積された経験によって変化するものである。

思えば学部4年の冬、サークルの追い出し稽古を受けるときに、プレゼントとして(追い出される人にプレゼントが贈られることになっていたので)2つ上の先輩に、感銘を受けた本あるいは生きる指針となった本をください、とお願いしたのは、いま思うとなかなかハードな注文だったと今更ながら思う。

 

翻って自分がどの本を薦めようかと思って本棚を見渡していると、結構読んでいない本(積ん読)があることに気づく。背表紙を見ながら、こういうことに興味を持っている(持っていた)のか、と自分を再発見するような感覚を持つ。

本というのはある意味理想の自分を表しているもので、積ん読であっても、自分にとっての方向性を示してくれるように思う(言い訳)。