読書

いつもと異なるキャンパスに用があり、少々時間があったので、研究室の某先輩が薦めていた『後世への最大遺物』を書籍部で購入し、図書館で読む。

いささかプロテスタンティズムくさい面もあったが、自分のなかで漠然と、所詮人間は遅かれ早かれ死んでしまうのだから、少なくとも自分の生命よりは長く続くであろう「共同体」に何らかの形で寄与したいと感じていたことが、本のなかでは、「私に五十年の命をくれたこの美しい地球、この美しい国、この楽しい社会、このわれわれを育ててくれた山、河、これらに私が何も遺さずには死んでしまいたくない、との希望が起ってくる。」という、美しい表現になって著されていて、共感するとともに思わずなるほどと思ってしまった。

 

そして、その遺せるもののうち最も善なるもの、すなわち後世への最大遺物が示されていたが、それは、(他の遺物に比べて、)一番誰にもできることではあるが、一番難しいことでもあるように思われた。自分にはそこまでできる自信が無いかもしれない。(その最大遺物が何かについては、某先輩が伏せているので、ここでは記さないことにする)