踏切

踏切が好きである。とくに列車の最後尾に乗って後方を眺めるときに見る踏切が。

列車が通り過ぎ、遮断機が上がると、いままで停まっていた車や人々が一斉に動き出す。その、抑圧されていたエネルギーが解放されるような、あるいは、一つのショウが終わって日常が再び始まったような、そんなさまが、人々の営みを感じさせる。そしてその動き出した人々は視線の彼方へ消えていき、また次の踏切で停まっていた人々が動き始める。リレーのように。

うまく言葉にはできないけれど、この開放感と伝播が好きである。